小野晃司
ワーケーションという言葉は、コロナ禍になって生まれた和製英語かと思いきや、どうやら発祥は海外のようです。しかも workation ではなく workcation と綴るんですね。
  • ワーケーション - Wikipedia
    ワーケーションとは、「ワーク」(労働)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた造語。英語圏の主要メディアは「workcation」と綴る。観光地やリゾート地でテレワーク(リモートワーク)を活用し、働きながら休暇をとる過ごし方。在宅勤務やレンタルオフィスでのテレワークとは区別される。働き方改革と新型コロナウイルス感染症の流行に伴う「新しい日常」の奨励の一環として位置づけられる。
長引くコロナ禍から、浜松市も全国の自治体と肩を並べて「ワーケーション」の環境を整備すべく支援をしています。
この中で、水上交通と温泉旅館のコンテンツを融合させた「ワーケーション浜名湖」滞在プログラムを販売していることから、私が取材を受けましたので紹介します。
浜名湖で心やすらぐリトリート・ワーケーション
 浜松は浜名湖、遠州灘、天竜川と、豊かな自然に恵まれた景勝地。特に舘山寺エリアは、温泉やグルメ、アウトレジャーなどを楽しむことができ、非日常な環境で仕事をするにも、日々の疲れを癒すにもぴったりなスポットです。そこで、温泉でも歴史のある舘山寺エリアを中心としたリトリート・ワーケーションの楽しみ方をご紹介します。
 舘山寺エリアで、舘山寺サゴーロイヤルホテル浜名湖遊覧船を運営するサゴーエンタプライズ株式会社社長・小野晃司氏。ワーケーション事業にも積極的に取り組み、奥浜名湖三ヶ日町で「みっかび瀬戸港」の運営にも携わっています。舘山寺エリアに精通した小野氏に、浜名湖・舘山寺の魅力についてお伺いしました。

小野晃司

Q.1 浜松・浜名湖エリアの特徴は?
まず、浜松は東京や大阪から新幹線で2時間以内という好立地にあるため、都心からワーケーションに来るのにちょうどいい距離感だと思います。しかも浜名湖・舘山寺エリアには、浜名湖に沿って温泉地や神社仏閣、浜名湖ガーデンパーク、はままつフラワーパークなどの観光資源が点在しているので、長期滞在のワーケーションにも適しています。プチ移住のようなつもりで滞在し、豊かな自然や美味しい食材、温かい土地柄といった浜松の魅力を存分に体感するというのがおすすめです。
Q.2 浜松・浜名湖エリアでワーケーションを楽しむ秘訣は?
ワーケーションで大切なのは、ワークとバケーションのバランス。仕事をしながら観光を楽しむとなると、あれこれプランを練ったり、移動に時間を費やしたりするのは煩わしいですよね。そこで、浜名湖・舘山寺エリアのワーケーションでは、移動手段に遊覧船を活用することをおすすめします。そうすれば、煩わしい移動時間さえ、美しい景色に癒される時間に変えられます。浜名湖・舘山寺エリアでは、こうして時間を有効に使いながら、ONとOFFのどちらも満喫できるのが魅力です。
Q.3 おすすめのワーケーション・プランは?
たとえば舘山寺を拠点に、朝、遊覧船に乗って絶景を前に仕事ができる「みっかび瀬戸港」まで向かい、ワークスペースで仕事に集中する。仕事が終わったら遊覧船で別の港に向かい、観光地巡りをするのもいいし、サイクリングや浜名湖周辺のグルメを楽しむのもいい。もちろん温泉で仕事の疲れを癒すのもおすすめです。定期便の遊覧船を利用することで、仕事の時間を確保しながら上手に観光を楽しんでいただきたいですね。

浜松ワーケーション
 
以上、取材内容を転載いたしました。

小野晃司

広域に点在する仕事環境と観光資源を結節する移動方法(二次交通)が、絶対条件的な「ボトルネック」になります。点だけをコンテンツとして集積させても、現実は成果(投資対効果)が望めません。まずは現存する「点と点を結ぶ線」を認識して、次に利用者の行動パターンを「シンプルかつインパクトあるテーマ」に区分けして、やがて「エリアとして面になる」ことを実現目標に設定できるかどうか。

こういう難しい表現を使うと行政の観光担当者から敬遠されてしまうので実に困るのですが、この「浜松ワーケーション」に少し関わって感じたことは「税金を使ってプロモーションをする以上は真剣に取り組まないと業者に支払って終わり」になる可能性が大きいということ。

「やっている」と「できている」の違い

とにかく「できている」状態になるまで継続することが重要であり、その実践をしている民間企業こそ「ホンモノ」として見極める能力が行政サイドにあるかどうか。行政は当たり障りのない意見を採用しがち(事なかれ主義)ですが、リスク最小化またはベネフィット最大化する両翼の支援策の制度設計が重要だと感じました。

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続いて、コロナ禍でかなり延期されていた「浜松ワーケーション体験ツアー」が、2022年1月中旬に開催されました。このモニターツアーでは、宿泊滞在者のためにワークスペースを確保した「浜名湖遊覧船みっかび瀬戸港」を見学していただきました。

浜松ワーケーション

コロナ禍で遊覧船のみならず周辺観光施設が臨時休業を継続していることで「ワーケーション」の利用実績が伴わない、また企業サイドの考え方も偏っている状態が背景にあるなど、いちはやいコロナ禍の収束を願い、経済活動の再開から回復期に「ワーケーション」が軌道に乗るのではないか、といった話をさせていただきました。

浜松ワーケーション

雪が降り始めるなど、浜名湖としては異常気象的な寒さではありましたが、施設から眺めることができる絶景に参加者の皆様も写真を撮っていました。

浜松ワーケーション

施設見学を終えると、参加者は浜名湖遊覧船「双胴船ハイビスカス」に乗船しながら舘山寺エリアに移動、サゴーグループが提唱する「水上交通」の観光スポット巡りを体験。

浜松ワーケーション

夜にかけては、舘山寺サゴーロイヤルホテルを会場に「浜松ワーケーションの可能性」をモニターツアーの参加者と浜松市の行政関係者がトークセッションで繰り広げました。
詳細はこちらに掲載されていますので、興味ある方はご覧いただければ幸いです。

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浜松ワーケーション

ワーケーションは、断続的に仕事ができる「コワーキングスペース」の充実と観光スポット巡りを楽しめる「モビリティ」の連結が計画的に整備されなければ言葉だけで終わると感じます。浜松市が美辞麗句を並べて「素晴らしい土地ですよ」と委託業者と叫んでも、実際に利用者は残念ながら増えないからです。

浜松ワーケーション

地域の民間企業がどんどん「率先垂範」する姿を見せることこそ「地域を有機的に活性化させる」と信じています。ワーケーションは、特別な滞在プログラムであると意気込むより、むしろ「ひとり旅」「日帰り観光」「感動体験」の3本柱を太くすれば包括的に伸びる市場である、と楽しみながら探求する方が受けが良さそうです。

(この記事は2022年3月1日発信のものです)