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2006年1月11日の日本経済新聞・静岡経済欄にて北脇保之・浜松市長のインタビューが掲載されていました。

話題は新浜松市になってから政令市までの取り組みですが、シティプロモーションによる浜松市の魅力を全国への発信、オートレースの民営化などの話題のほかに注目したいコメントが2箇所ありました。


観光産業は浜松市の主要産業がものづくりであったため、重視してきたとは言えないのが現状だ。ただ、21世紀はどの都市においても観光が主要産業になってくる。製造業などはグローバル化のなかで最適立地を考えるが、観光はその土地がなければ成り立たないもの。どこかに移ることはない産業であるから、力を入れたい。

製造業がけん引する「産業都市・浜松市」の景気回復だけでなく、都市間競争に打つ勝つ浜松市の新たなる魅力創出に向けた嬉しいコメントです (^^♪


中心市街地に各テナントとなる商業施設誘致が苦労しているのは、市民の価値観、生活の仕方が変化していることが影響している。昭和40年代や50年代を懐かしんでもしかたがない。コンパクトでもいいから魅力ある店舗が集まっていることが必要。松菱跡の再利用やザザシティ浜松の未解決部分を一つひとつ解決していくしかない。中心市街地の現状は浜松市にとって一番の弱点になっている。政令市にふさわしい中心市街地ができないと大都市に仲間入りできない。見劣りしていることは否定できない。

車社会の浜松市周辺では逆に中心市街地を活性化させる必要があるかどうかの議論(考え方)も最近ではあるようですが、駅周辺は「浜松の顔」にふさわしい活気あるものであるべきだと思います。

そういう意味では「コンパクトシティ」という言葉を北脇市長が使い始めており、行政がどういう機能性を市街地に持たせ、商業集積の棲み分けをどう図り始めるのかは期待される点です。

北脇市長のコメントを見て、ちょうど1年前に東京大学大学院都市工学の西村幸夫教授の講演会に参加したときに聞いた印象的な言葉を思い出しました。


【近説遠来】 近き者よろこびて、遠き者来る

これは「住んでいる人が喜んで暮らしていると、遠くからも人が来る」というような意味で、浜松のまちづくりに置き換えるならば、浜松に訪れた人が「私もこんな所に住んでみたいな」と思わせるにはどうしたらいいかという視点で考え、地方行政として実行していくことが必要だということです。

西村先生はさらに「行政が観光に力を入れるべき理由のひとつは、行政の財務面に貢献度が非常に高いから」と話していました。


「交流人口(観光客)」は「定住人口(地元住民)」の6倍の経済効果がある。


ということですが、これは浜名湖花博や愛知万博を終えたばかりですから、その経済効果については説明がいらないと思います。

人口減少社会においては、定住人口よりも交流人口の増加を図る施策が賢明であり、そのために「観光都市創造」や「地域ブランド化」というキーワードが使われ始め、定住人口のための「都市開発(まちづくり)」と交流人口のための「観光振興(観光地づくり)」を両輪として進める考え方を「観光まちづくり」と呼んでいるわけなんです (^^)/