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私は年に数冊ですが、献本していただき拝読することがあります。
 

今回は近畿大学准教授「杉浦健」先生の著書を、彼(高校時代の陸上部後輩)のご家族からいただきました。

ありがとうございます!
 

本の表紙には、このような説明が書かれています。
 

スポーツ心理学者が教える「働く意味」の見つけ方
なぜあの人はあんなに頑張れるのか。トップ・アスリートや、一線で活躍するビジネスパーソンの考え方・行動から、気鋭のスポーツ心理学者が見出した「やりがい」の育て方とは?


一読した感想は、本人が一生懸命に競技を愛したライフワークの延長で書かれていて、スポーツの世界とビジネスの世界を巧みに心理学の観点からリンクさせ「一流な生き方」を提案していることです。

気に入ったトピックとしては、主に…
 

・スポーツとビジネスは似ている
・勝ために、勝つこと以上に価値あるものを目指す
・人はお金では幸せになれない
・自分の仕事に「人のため」の要素を見出す
・働く意味はもとからあるものではない
・働く意味は「求めるものに与えられる」


を挙げたいと思いますが、彼が引用している文章が勉強になりました。
 


たとえば、京セラの創業者である稲盛和夫氏の「生き方」(サンマーク出版)には、これはメンタルトレーニングの本ではないかと思うくらい、スポーツを続けていくうえで参考になる内容が満載されていました。ひとつ、私がとても感銘を受け、力をもらった文章を紹介しましょう。
  • 願望を成就につなげるためには、並に思ったのではダメです。「すさまじく思う」ことが大切。漠然と「そうできればいいな」と思う生半可なレベルではなく、強烈な願望として、寝ても覚めても四六時中そのことを思いつづけ、考え抜く。頭のてっぺんからつま先までその思いでいっぱいにして、切れば血の代わりに「思い」が流れる。それほどまでひたむきに、強く一筋に思うこと。そのことが、物事を成就させる原動力となるのです。
 


今年のバンクーバー五輪での上村愛子選手からは、まさにこの「すさまじく思う」境地を感じたのは私だけではないでしょう。

最後の第5章に「行動することそれ自体が意味とやる気をもたらす」について書かれています。
 

疲れ知らずで働いている経営者がいます。彼らになぜそんなにエネルギーがあるかというと、それは働き続けているからです。動き続けているからです。自転車のたとえから言えば、いったん走り出してしまえばそんなにエネルギーを使わなくても続けられるのです。やる気を出し続けられるのです。

このフレーズはまさに私が日頃から持ち続けている信条に通じるものがあり、大きな共感を覚えました。

学生時代に同じ陸上部で活躍した杉浦くんが、このような「ひとのためになる」ことを学び、それを本を通じて一人でも多くの人に伝えようという熱意に尊敬の念を抱きます。

やる気を失ってどうしようか迷っているアスリートや経営者だけでなく、これから夢や目標を持って生きる学生さんにも読んでいただきたい一冊です。
 

もしかしたら、就職活動のエントリーでの作文や面接で問われる「働くとは」「働く理由」「働く意味」について、自分なりの考えをまとめる時に、ヒントを与えてくれる指南書(参考書)としてもおススメかもしれません。