小泉首相の声かけで始まった「観光立国」という言葉も、「観光立国推進基本法」の成立や「エコツーリズム推進法」の実現に向けて、これからの総合的観光政策へつなげていく動きも活発なようです。

国際的な観光客の動きは、沈滞気味のアウトバウンド(日本人の海外旅行)とは対照的に、2005年の8億人から2010年には10億人、2030年には15億人というのが世界観光機構(WTO)の予測だそうです。

この背景には、日本の誘客施策の成果もありますが、各国が各地に巨大空港を建設するなど、海外旅行がしやすく、国内でも地方空港が建設されたりと、迎え入れる体制もバランスが取れた環境になってきていることです。

とはいえ、日本の物価の高さは海外から旅行する人達には大きなハードルであり、「行きたくても…」というのが、理想と現実のギャップのようですね。

一方で、韓国など経済成長を遂げている国からは大きな伸びを示しており、JNTO(国際観光振興機構)ソウル観光宣伝事務局長である谷博子さんが書いた「韓国発・日本ブームの理由を探ってみると」という記事を読むと、人口4800万人の韓国における海外旅行者数は、2005年には1000万人を超え、実に5人に1人が海外旅行に出かけたことになるそうです。

最大の旅行目的地は中国のようですが、訪日旅行者数は順調な推移を見せ、その人気の要因を5つ挙げていますので紹介します。

■若年層のFITが人気
アニメなどを通じて日本文化と身近に接してきた韓国の若者には、日本に対して憧れに近い感情があり、人気の目的地になってきている。
■リーピーターの増加
中国や東南アジアツアーは価格が安い分、強制的なショッピングや法外なオプショナルツアーなど参加者からのクレームが多い中で、訪日ツアーは安全、清潔、質の高いサービスなどで参加者の評判が高く、「もう一度訪れたい国」1位は圧倒的に日本という結果が出ている。
■夏の北海道人気
韓国の冬は長く厳しいため、韓国人の多くは寒さには強いが暑さは苦手である。北海道は小樽を舞台にした映画などで人気を呼び「夏も涼しい観光地」として人気が急上昇している。
■温泉&旅行ブーム
温泉と旅館の人気が上昇し、伝統的な日本旅館には大きな関心がある。
■教育旅行が好調
2005年には5万人が教育旅行(海外修学)で海外に出かけ(VJC事務局調査)、2006年も増加傾向にあり、安全・清潔でテーマパークや学習施設など見どころが多い日本を希望する学校が多い。

日本文化は伝統的な魅力にアニメなど若者文化とも大きなつながりを持っていることから、これからのインバウンドマーケットは拡大していくんということ、また「訪日ツアーは安全、清潔、質の高いサービスなどで参加者の評判が高く」リピーターになりやすいことからも、地域での取り組みによっては、商品化の具体策も見えてきそうな感じがします。