■関連カテゴリ: おすすめ(本・言葉)

レンタルお姉さん

社会現象でもある「ニート(学校にも会社にも行かないという人たち)」に対して、手紙や電話、訪問を通して交流し、新たな行動を起こさせようと奮闘する女性たちを「レンタルお姉さん」と呼ぶそうです。

レンタルお姉さん (荒川龍著、東洋経済新報社)

まず、この本の中で「経営者とニートはよく似ている」という言葉が妙に気になりました。

下記は引用ですが、「経営者は孤独」と昔から言われるのも、こういう分析をされると興味深い話ですよね。

傍目(はため)にはエネルギッシュな企業経営者たちも、実際には、いたたまれないほどの孤独感を抱えていたりする。可愛がってきた部下が辞めたり、ライバル会社に大きな仕事を奪われたりすると、経営者はまるで自分の人格を否定されたように感じて、人間不信になりやすい。それでも、多くの経営者は、会社でも家庭でも愚痴はこぼせない。それはニートが、家族にも胸の内を明かせないでいるのと似ている。どちらも自分を受け止めてくれる相手を切実に求めていて、そのくせ人一倍傷つきやすいから、結局は1人でやせ我慢を続けるしかない。経営者とニート、両者の孤独の底は案外つながっている。

彼女たちの目的は明確ですが、そのコミュニケーションのあり方(相手を否定せず、共感することから始める)は、対ニートに限らず、現代社会の対人関係に大きなヒントがあるのかもしれません。

レンタルお姉さんは、20代、30代のごく普通の女性(中には男性のレンタルお兄さんもいるようです)で、仕事は「ニートの若者と友達になることでなはく、彼らに自宅に引きこもる生活をやめさせ、就学や就労など新たな生活を始めさせること」で、「相手を引き出す道具に徹する」ことだそうです。

また、子供のニート状態を長期化させる親には、「子供の意思を尊重しすぎる」「表面的な親子関係を取り繕う」「親も会社以外に社会との接点を持っていない」「子育てに失敗した親だと思われたくない」といった共通点を挙げています。

詳細は本を読んでいただくしかないのですが、「言葉以外の何か」を伝える。つまり、相手を尊重し、一定の距離感を保ちながら付き合っていくことで「共感」をいかに引き出すかだそうですね!

経営者にもニート要素があるということは、逆に経営者はもっと「肩書きや言葉を超えて、人は人とつながれる」という確信を持てる環境を自ら持つことが大切であり、他人から必要とされる、他人とは違った生き方や他人の役に立ちながら、自分らしく成長していける場所を持つべきである、ということを示唆しているように思います。