「睡眠 がビジネスの価値を持つということに気付いたホテルと航空会社」というタイトルのメール(「ホテルマンの為のML」)がしばらく前に届きました。その中に2005年に行われたトラベル・スリープ・ハビッツ・サーベイ(旅行睡眠習慣調査)では、旅行中のアメリカ人の3人のうちの少なくとも1人が十分な睡眠を得ていないことがわかったそうです。そして、睡眠不足の最も大きな原因は、4人に1人がマットレスにあると指摘しており、次いで、ホテル内がうるさ過ぎる、枕がフィットしない、客室内の温度調節が(思いどおりに)できない、などをあげています。

確かに「睡眠 ホテル blog」でキーワード検索すると、そのほとんどが「寝(睡眠)不足」「寝てない」「寝れない」などネガティブなものが多いことに気がつきます…

Nessun Dorma(2005年7月7日) 英国航空の調査によると、4人のビネス・トラベラーのうちの1人が"睡眠不足のため" に会議中にうとうとしたことがあるという。
 睡眠は、中世の時代より、ビジネス・トラベルにおける重要なコンポーネントとして認識されていた。現在では、ゆったりとした睡眠を提供することはトラベル・インダストリーが熱い競争を繰り広げているところの製品のひとつとなっている。
 目覚まし時計を考えてみよう。
 たとえば、私の家では、午前7時の飛行機の乗るために朝早く起きる必要がある場合、目覚まし時計が大きな心配の種となる。というのも、目覚し時計、特にクロック・ラジオを希望する時間に正確にセットすることは思いの他、難しく、さらに、その時刻に本当に鳴るのか否かは保証の限りではないからである。したがって、午前4時にセットをしたものの気が気でなく、結局、午前3時に起きてしまうのである。さらに、私の妻は私が気が気でないだろうことに対して気が気でなく、午前2時半には起きてしまうかも知れないのだ。
 このように狂気が位置することになる。
 ヒルトン・ホテルズのブランド・パフォーマンス・アンド・フランチャイズ・デベロップメント担当のバイス・プレジデントであるトム・ケルトナーは言う。
>目覚まし時計をセットすることは VCR をセットするより難しいと多くの人が考えているようだが、だからこそ、より使い易い時計をつくれば売れるというマーケティング・オポチュニティがあるのだ。
 ヒルトンのミッドプライスのチェーンであるハンプトン・インは操作説明書を必要としないホテル用のクロック・ラジオを、有力なメーカーである SDI テクノロジーズと共同で開発し、150,000個を購入して、すべての客室に備え付けた。
 このハンプトン・インのクロック・ラジオに注目したヒルトンは、モデルをさらに改良し、ブザーだけではなく音楽もセットできるようにし、さらに、MP3 プレーヤーやポータブル・ミュージック・プレーヤーを接続するためのポートを付け加えた上で、250,000個を購入し、すべてのホテルに備え付けた。
 ヒルトンが引用する最近の調査によると、によると、ホテルの目覚まし時計を信頼するビジネス・トラベラーは5人のうち1人だけであるという。
 一方、航空会社は、機内においてもゆっくりと眠ることができるということをマーケティングの中心に据え始めている。1990年代後半、エール・フランスは、長距離飛行でのプレミアム・クラスにフラット・ベッド・シートを導入、先陣を切った。それを追いかけるように、英国航空もフラット・ベッド・シートをファースト・クラスに導入し、さらに2000年には一新したクラブ・ワールド・ビジネス・クラスにもフラット・ベッド・シートを導入した。英国航空の最大のライバルであるヴァージン・アトランティックは、アッパークラス・ビジネスにフラット・ベッド・シートを導入、その後、プライベート・スリーピング・シェルを導入するなど、サービスのさらなるアップグレードを行っている。
 現在では、フラット・ベッド・シートはほとんどの航空会社においての標準的な装備となっている。さらに大手の航空会社では、プレミアム・パッセンジャーが機内でゆっくりと眠ることができるといういうアドバンテージを強調し、搭乗前に食事を済ますことができる専用のラウンジを空港に設置、さらには、機内においても食べたい時に食事が提供されるというオン・デマンドの食事サービスを導入している。
 ホテル・インダストリーにおいても睡眠を商品にすることに忙しくなった。1999年には、ウエスティン・ホテルが画期的なヘブンリー・ベッドを導入、これを大々的に売り出すことによって脚光を浴びることとなった。その結果、ホテル・チェーンのほとんどがこのウエスティンのやり方をまね、莫大な費用を投じた上で、5スターはもちろん、4スター・ホテルの客室においても、ラグジュアリーなベッドと寝具を備え付けるに至った。
 ところで、5人のビジネス・トラベラーのうち1人は、旅行中、睡眠不足のためにビジネスを失うことがあるが、英国航空はその解決方法を提示している。もっとも、それは、お客に多額の支払いを強いる解決方法ではあるが。
 調査では、エコノミー・クラスを利用するビジネス・トラベラーは、機内では3時間程度しか睡眠できないことがわかった。しかしながら、ビジネス・クラスとファースト・クラスの乗客は、料金に見合っただけの十分な睡眠が取れている、と英国航空は言う。

航空会社も「休息から睡眠」へコンセプトを変更していますが、日本のホテルでも新しい試みをしています。例えば、東急ホテルズでは「ホテルの眠りが変わる!」でテンピュール枕を導入したり、お客様の眠りに配慮したホテルであることを強調していますね!リーガロイヤルホテル東京では「快眠」プランをつくり「上質な眠り=最高のサービスを提供できるホテル」というイメージを感じさせてます。

さらにロイヤルパーク汐留タワーでは、松下電工が”質の良い眠りと目覚め”を得るための制御プログラムが備えられたモデルルーム「スイミンルーム」と同じ「エミットスイミンシステム」を完備した「快眠ルーム」宿泊プランを世界で初めて(2005年5月16日)客室に導入したそうです。

ここまで完璧だと31,000円と高くて身近には感じませんが、この時代の動きからヒントを得て、枕やマットレスを変えてみるとか、ちょっとした配慮(アイデア)を客室の機能に加えていく時代であることは確かだと思います。それをホテルブランドとして寝れない方に通信販売するアメリカのホテルチェーンもあるくらいですから…