日経レストランONLINEマガジンの「編集長より」コーナーで冷やし料理や冷やし食品などの冷やしブームについて書いていますので紹介します。何でも冷やしてしまう現代の食習慣の代表のひとつとなりました。こんな暑い毎日では冷たいものでも口にしないと食べたいものもなくなりますよねぇ…

日経レストラン(2005年8月9日) 編集長:遠山敏之 ここ数年、冷やし料理や冷やし食品が次々登場しています。3〜4年前に、カレーチェーン大手の「COCO壱番屋」が冷やしカレーを期間限定で発売し、一時話題になりましたし、2年ほど前からは、冷水や冷たいウーロン茶で食べる「冷やしお茶漬け」の素が登場しています。CMでも放映していましたから、ご存知の方も多いでしょう。気がつけば、ラーメン店でも定番の冷やし中華以外に、スープを冷たくした冷やし麺を出す店が増えてきました。チョコレートも、各社が冷やして食べるタイプの製品を増やしています。
 冷やしカツ丼まで出てきました。東京・渋谷にあるトンカツ店「かつ吉」が提供し
ているもので、ご飯の上に揚げたてのロースカツを載せ、氷入りのダシを張って、トロロや梅干、ミョウガなどのトッピングを施してあります。売り上げが落ちる夏季限定のメニューとして開発したものですが、今では週に200食以上出る人気メニューだとか。
 体感的には、年々暑くなっている日本の夏。冷やし食品が売れるのも、当然のようですが、これだけ様々なメニューが出ている背景には、「冷やす」ことに抵抗感を持たなくなった現代人の食生活が反映している気がします。
 例えば、緑茶。少し前までは急須で入れた温かいお茶が緑茶のイメージでしたが、コンビニやスーパーでPETボトル入り緑茶をこれだけ売っている今は、冷たくして飲んでいる人がかなり増えていそうです。統計を詳しく調べたわけではありませんが、もしかすると、日本人が飲んでいる緑茶の総量は、もはや「冷やし」の方が多くなっているかもしれません。実際、我が家ではこの仮説が実証されています。妻と娘は冷蔵庫からPETボトルを出し、急須から温かいお茶を飲むのは、私だけ。これは冬でも変わりません。
 家庭には冷蔵庫が当たり前のようにあり、街を移動すれば、コンビニが簡単に見つかります。「冷やし」インフラがかなり広がっていることも、現代人の「冷やし」志向を後押ししているのでしょう。個人的には、カツ丼も緑茶も、やはり温かい方が美味しいと思うのですが……。